Amazonレビューで低い評価のレビューは勘違いであったり的外れであったりするものもよくあるものだと感じることがあります。先日、「Amazonレビューへのコメント魔の気持ち悪さ」について書きましたが、今回もちょっと視点を変えて書いてみます。
よく批判されるのは新刊発売後すぐに高評価のレビューが大量になされる発売キャンペーンや著者のファンによるもの。サクラだと言うものもあります。発売後すぐにそんなに早く読めるのか?というツッコミもあったりします。
一方、低評価が大量になされたものは、著者に対するアンチによるものであることがほとんどでしょう。そのほとんどは購入もしておらず、単なる炎上状態で罵詈雑言コメントばかりになってしまっています。
中には笑えるレビューなどもあって楽しめたりもするのですが。
今回はそういったイレギュラーな状況ではなく、普通に買って読んだ人の低評価レビューの中に、「ああ、これは勘違いしてるのかもなぁ」と思われるものが結構あるのではないかというとこに触れてみたいと思います。
具体的に見てみましょう。
まずはこちら。
野矢茂樹氏が監修の『ロンリのちから: 「読み解く・伝える・議論する」論理と思考のレッスン』という本。
ここに「事例が子供じみている」という星一つのレビューがあります。
子供じみているというのは確かにそうなのですが、この本はNHK高校講座の番組をまとめたもの。入門的な内容であるのは当たり前です。となるとこのレビューは果たし妥当なのでしょうか?若い人向けにロジックを考えるきっかけとしてはとても良い材料だとも思います。野矢茂樹氏には『新版 論理トレーニング (哲学教科書シリーズ)』という評価の高い本がありますから、論理力をつけたい人はこういう本につなげていけばいいでしょう。
次はこちらの本。
M・フーコーの著作で今は河出文庫から別訳が出ていますが。
この中村訳の『知の考古学』の星一つのレビューに、「考古学の本ではありません」というのがあります。これこそ勘違いというか、M・フーコー自体をよく知らない人のレビューなのでしょう。考古学自体の内容を求めて読んだのでしょうが、哲学・思想の分野に関心がある人にとっては何の問題もないと思います。まあ、翻訳に違和感を感じるのは当たってるとは思いますが。
このように、Amazonレビューの星一つの評価は良く読んで判断しないといけない面があります。もちろん星5つも同様です。
まあ、悪意は全く無い感想ではあるのでしょうけどもね。
最後におまけ。
この本のこのレビュー。すげー長いっす。長すぎまっすorz
書評ブログでも作ったらどうかと思うのですよ。そこでやらなくても…