犬のしつけは「おすわり」「待て」「ふせ」ができるだけで満足ですか? 犬との楽しい生活を送るにはそれだけでは不十分ですよね。
家の中、自分の敷地の中だけならまだわかりますが、犬と一緒に散歩やドッグランなどで外に出ることも多くなります。
もっと充実したドッグライフのために、しっかりとした犬のしつけを心がけましょう。
ここでは「呼び戻し」「トイレ」「ハウス」のトレーニングをみていきたいと思います。
愛犬とのアイコンタクトと手元に呼び戻すしつけが大切
アイコンタクトで犬と意思疎通ができるくらいにしつけることができると、他の全てのしつけトレーニングに役立ちます。愛犬のリードを放してしまったときにも、自由に呼び戻したいですよね。
アイコンタクトと呼び戻しをしっかり犬に教えてあげれば、愛犬が手元から離れてしまっても大丈夫です。
都会に限らずの交通量の多いところで、ちょっとしたはずみで犬のリードを離してしまった時に、道路に飛び出して車と衝突して事故に合って大怪我をしてしまう可能性はあります。
そんな時に、すぐに呼び戻せるようにしつけているなら、事故も防げますね。
都会では犬の散歩はリードをつけるのが義務付けられているところも多いですが、意図的でなくてもリードを手放してしまうような状況になることもあります。
しっかり呼び戻しのトレーニングをしておくことが大切ですね。
目と目で通じ合う、そういう仲になりたいワン♪
犬を呼び戻すためには、まず犬とのアイコンタクトができるようにしておきたいです。
アイコンタクトは犬のしつけの上でなくてはならないもの。しっかりトレーニングしましょう。
ここでは、おやつを使っての練習方法をみていきましょう。
まず犬におすわりをさせます。おやつを手に取り、犬の鼻先に持っていくと、犬は匂いを嗅いで興味を示します。おやつを手に持っているということを、ここで犬に認識させるのです。
次にそのおやつをこちらの目元の方に持って行きます。すると犬はこちらの方に顔を向けて、こちらの目の周辺を見るようになります。
そして犬がこちらの目を見ている時に、犬の名前を呼んであげてから、おやつを口元へ持っていって食べさせてあげます。
これを何回も繰り返します。こうすることで、犬は「名前を呼ばれたらおやつがもらえる」と理解していくようになります。
今度は、犬の目元まで持ってきたおやつを持った手を、横に広げて顔から離れたところに持っていきます。すると犬はおやつを持った手の方を見てしまうのが普通だと思います。
そこでは何もあげません。そうしているうちに、犬が「どうしておやつをくれないんだろう?」という感じにこちらの目を見て様子を伺うことがあります。
このこちらの目を見た時に、すかさずおやつを与えます。この時は特に名前を呼ぶ必要はありません。おやつを見てても何ももらえないけど、こちらの目を見たらおやつがもらえると学習させるのです。
次の段階は、犬が横に広げた手に持ったおやつを見ている時に、名前を呼んであげてこちらを見たらおやつをあげるというトレーニングに移ります。何かに犬が注目している時に、名前を呼ばれて飼い主の方を向けばおやつがもらえると学習させるということになります。
こういった動きが、呼び戻しの基礎になるのです。
呼び戻しのトレーニング法
呼び戻しの練習は、まず、犬に何か興味を持たせておくことからはじめます。
二人いる場合は、愛犬の大好きなおもちゃを少し離れたところから見せて注目させます。散歩などをしている時などでは、何か道端の匂いを嗅いでいる時や、他の人などに興味を示している時などを利用しましょう。
愛犬が何かに興味を向けている時に、名前を呼んであげてこちらを向けばおやつを与えます。
先ほどのアイコンタクトの練習の延長ですね。何か興味があるもの、大好きなものを見つけても、名前を呼ばれたら飼い主の方をみる。そういう練習を積んでいきます。これが呼び戻しの基本となります。
他の家族がいればそれぞれが部屋の角に散らばって、順番に犬の名前を呼びます。名前を呼んでやってきたらおやつをあげます。次は他の人が名前を呼んであげます。これの繰り返し。
できるようになったら、今度は名前を呼んでやってきたらおすわりをさせてからおやつを与えます。
これができるようになったら、今度は別の部屋から呼び合ってみる練習をします。徐々に遠くやいろんな場所から呼んでみるようにして、できるようになったら今度は外に出て庭や公園などの安全な場所でロングリードをつけて練習します。
これを繰り返し、繰り返し練習して、呼び戻しのしつけトレーニングをやって行きましょう。
犬のトレイのしつけで失敗を繰り返さないために
犬を飼い始めて最初にどうすればいいのか悩まなければいけないのはトイレのしつけといって間違いないでしょう。
犬を家の中で飼うならなおさらです。
外でも困りますが、家の中であちこちおしっこされると大変です。
トイレをしっかりしつけていても、やっぱり失敗してしまうことも結構あったりします。
トイレをなぜ失敗するの?
愛犬をしっかりトイレトレーニングでしつけたと思っても、失敗してしまうことがあるのはなぜなのでしょう?
それは飼い主さんがワンちゃんのトイレの失敗を見過ごしてしまうからです。
飼い主さんには厳しい言葉かもしれませんが、愛犬の管理ができていないということになりますね。
ワンちゃんのトイレの失敗を見過ごしていると、あちこちでおしっこをすることに繋がってしまいます。
トイレの失敗を許してしまうと、その失敗した場所も犬はトイレと思って「ここはしていい場所」と間違って理解してしまうようになってしまいます。
ですから、間違った場所でやらないように、しっかりトイレの場所を何度も何度も理解させるようにしつけることが重要です。
最初からしつけ直すというつもりでやってみましょう。
犬のトイレのしつけ方
用意するものは、クレートなどの扉を閉じることができる犬のハウス。トイレの場所として使うサークル。そしてペットシーツです。あとおやつも準備しておきます。
サークルにはペットシーツを敷き詰めます。これはサークルの中のどこでトイレをしても失敗しないようにするためです。ペットシーツ2枚程度が敷き詰められるサークルがいいでしょうね。
まず、ワンちゃんにはハウスの中に入っていてもらい、扉を閉めておきます。1時間とか2時間とかハウスの中に入れておきます。
ハウスは犬にとって寝床です。犬は自分の寝床では、トイレをしないという習性があるので、クレートの中ではトイレを我慢しています。
ハウスの中で我慢させたら、次は扉を開けて犬を外に出し、すぐにトイレのサークルの中に誘導して入れてあげます。そしてサークルの扉も閉めておきます。
トイレを我慢してた犬は、サークルの中でおしっこをするわけですが、ペットシーツを敷き詰めているのでサークルの中では失敗することはありません。トイレができたらおやつをあげます。そして、サークルの扉を開けてあげます。
こうすることで、ワンちゃんはトイレが上手くできれば、おやつがもらえて扉を開けてもらえるというご褒美があると学習するようになるのです。
あとはお部屋の中で犬を自由にさせてあげましょう。
ここで大切なのは、犬がお部屋のどこへ行こうと目を離さないことです。しっかりと犬の行動を視界の中に入れておきましょう。
どうしても目を離さないといけない時は、短時間の場合はトイレのサークルに入れてもいいですし、しばらく目を離さないといけない場合はハウスの中に入っていてもらいましょう。
犬をしっかり観察していられる時だけ、家の中を自由にさせてあげることにしましょう。
ご飯を食べた後や遊んではしゃいだ後、朝起きた時が犬がトイレをするタイミングなので、その時にトイレのサークルに入れてあげる。
また、犬がその場をくるくる回ったり匂いを嗅ぐような仕草をしてそわそわし始めたらサークルの中に入れてあげる。
トイレができたらおやつをあげて扉を開けて自由にしてあげましょう。そしてまた、フリーにしてあげてる間はしっかり観察します。この繰り返しです。
1週間程度トレーニングすれば、トイレの場所をキチンと覚えてくれるはずです。慣れてくれば、サークルを取り除いてペットシーツを敷くだけでも大丈夫になります。
ハウストレーニングは犬の飼い主がお出かけするのに必須のしつけ
犬の飼い主さんにとって、お出かけする時に必要になるしつけがハウストレーニングです。
ワンちゃんがまだ仔犬の時は小さなクレートなどに「ハウス!」と声をかけて入れてあげるものですが、大きくなるとクレートを使わなくなったりもするものです。
大きくなってからハウスのしつけが必要になった時、嫌がって入らなくなることも多いですね。
でも、大きくなってもハウスに入れるようにしつけておくと色々と生活する上でのメリットにも繋がりますので、しっかりハウストレーニングをしておくことが大切です。
ワンちゃんが安心して過ごしていられる場所としてきちんとハウスを用意してあげましょう。
ハウストレーニングのメリット
犬のハウストレーニングのしつけをしておくメリットとしてはこういった状況が考えられます。
例えば、犬を連れて旅行に行く時などが考えられます。最近は、犬も一緒に宿泊できる旅館やホテルも増えてきましたが、一緒に部屋に入ることはできてもベッドや布団の上で犬を寝させることはダメであるとか、レストランには入ることができないといったルールが決められていたりするところがあります。
そういう場合は、ハウスに使っているクレートなどを持ち込んで、飼い主さんがレストランで食事をしている間は、ワンちゃんはクレートの中でゆっくりさせておくということになります。
また、車に犬を乗せて移動する時なども、ハウスに使っているクレートを車に持込めば、入り慣れているクレートなので入るのを拒絶することなく安心して中で過ごしていてくれます。
よく、シートの上に犬を座らせて移動している人もいますが、万が一事故が起きたり、急ブレーキをした時などに犬が勢いでフロントガラスに叩きつけられて大怪我をすることもあるので、車でのワンちゃんの移動はベルトなどで固定したクレートの中に入れて過ごさせるのが一番でしょう。
外の景色を見せてあげたいところですけど、そこは我慢して休憩時や目的地でしっかり楽しませてあげるということが大切ですね。
ペットホテルを利用する必要がある時も、ハウスに入ることをに犬が慣れていれば、不安で夜鳴きしたり、食欲を無くしたり、体調を崩したりすることを防ぐことにもなります。
ハウストレーニングのしつけ方
ハウスは閉じ込めておくものというイメージで使うのではなく、犬にとって安心していられる場所であるということを理解させることが大切です。
用意するものはもちろん犬にあったハウス(クレート)ですね。あと、ワンちゃんの大好きなおやつを利用してしつけていきます。
犬をハウスの前に連れてきて、小さなおやつをハウスの奥に投げ込んであげます。すると犬がおやつを食べようとハウスの中に入って行きますので、それに合わせて「ハウス」と声をかけてあげましょう。これを何回も繰り返します。
最初はすぐに犬がクレートから出てくると思いますので、何度もおやつを投げ入れてハウスに入れてあげましょう。
自分からハウスに入るようになってきたら、クレートの扉も閉めてみます。扉が閉められると、犬は閉じ込めらたと思ってしまうので、扉を閉めても扉の隙間からおやつをあげて、クレートの中に入るとご褒美がもらえると理解させていきます。最初は短い時間で練習しましょう。
さらに長い時間をハウスの中に入れておくには、おやつを入れておけるおもちゃを使います。コングというものや穴のあいたボールなどのおもちゃがありますが、これは犬が遊んでころがっているうちに中からおやつがポロっと出てくるような構造になっています。 ワンちゃんをハウスに入れて、このおやつを入れたおもちゃを与えてハウスの扉を閉めておきます。
ハウスの中の犬は、このおもちゃで楽しく遊びながらおやつも食べられるので、ハウスの中にいることは楽しいことであると認識します。慣れてくると自分から進んでハウスに入り、おもちゃを要求してくるほどハウスの中で過ごすが好きになります。
こうして、飼い主さんが犬を家において外出をする時などに、犬がハウスの中で長時間過ごすことができるようになっていきます。
まとめ
愛犬のしつけは、簡単なものだけでなく、できるだけしっかりしたトレーニングを身につけさせると、犬との生活をより楽しくおくることができます。
呼び戻しをするには、まずはアイコンタクトの練習から。名前を呼べばおやつをもらえるという認識を犬に学習させて、徐々に距離をとって練習をしましょう。しっかり練習を積めば、どんな時でも名前を呼んだら犬は戻ってくるようになります。
犬のトイレのしつけは、しっかりトイレの場所を教えてあげるトレーニングをすることが大切です。そのためには犬が自由にしている時にしっかり観察すること。買い物や家事などで観察できない時は、クレートの中で大人しくさせて起きましょう。1時間なら1時間とまとまった時間をハウスの中で我慢させたらトイレのサークルに入れてしっかり場所を覚えさせ、上手くできたらご褒美をあげて、何度もトレーニング。失敗してもまた最初から繰り返してしつけていきましょう。
仔犬の頃はよく入れていたハウスは、大きくなっても入って過ごせるようにしつけておきましょう。そうすることで、外出先などで環境が変わっても、そのクレートを一緒に持って行けば安心してワンちゃんが過ごせますし、長時間、犬を家において外出することもできます。そのためには犬にハウスの中が楽しいところであると認識するようにしつけることが重要です。
Inuversity(イヌバーシティ) ~いぬ大学~ 犬のしつけ教材