コンプライアンスが作品の価値を破壊し世界観を台無しにする!キャプテン翼がその被害に?




ポリティカルコレクトネスであったり、コンプライアンスであったり、世の中ちょっとしたことで大騒ぎすることが多すぎる。

もうちょっと、「それがあまり良いことでは無いことはわかってる。でも、そこまで気にする必要は無いし目くじらを立てることでもない」くらいの緩さは欲しいものです。

もちろん、現実的に問題が起これば、しっかり対処すればいでしょう。

でも、元々の世界観が台無しじゃん!ってことがあったのですよ。アニメに!キャプテン翼に!

こういうことは、抱っこちゃん人形やちびくろサンボの頃から言われてることですけど、なんか騒動の割に問題が小さくて的外れな話だよなとしか思えないのです。ここではキャプテン翼と書きましたけど、作品というもの全てに言えることだと思います。

2018年版キャプテン翼

さて、キャプテン翼に話を戻しましょう!

この4月からキャプテン翼のアニメが2018年版として新たに作られて放送されているんですよね。もう何回目だ? って思いもありますけど、ちょっと見ていて、ストーリーに大きな変更が加えられてないので、ファースト世代としても安心して見ることができます。(多分、ガンダム以外でファースト世代って言う人って他にいないだろうなぁ。まあ、今思いつきで書いてみただけなんですけどね)

放送前にネットの何かで読んだ覚えがあるのですが、原作者の高橋陽一さんがこんなことを述べていました。放送上のコンプライアンスとして作品の表現が変更される可能性があるのは理解してるけど、できるだけ原作に忠実にして欲しいと書いていました。と同時に、通行するバスの下をボールを蹴って通すって表現はやはり無理かなというような考えを述べていたんですよね。

そして第1話。路線バスの下をボールを蹴って通していたんですよ、翼くんは。この瞬間、コンプライアンス的に問題にはしなかったのだなと感じたんですよね。そりゃ、ここカットできないですよ。若林くんと出会った翼くんが勝負するための実力があることを見せつけるシーンなのですからね。

作品の変更点というなら、一般電話が携帯電話であったり、手紙が電子メールであったりというくらいだと思いました。ストーリーも(今のところ)そのままなので安心して見ることができます。

でも、違ったんですよね。

明和FC監督の吉良耕三が飲む飲み物は?

第14話から南葛SCと明和FCが対決します。

係員が明和FCのロッカールームに時間を告げに訪れるのですが、薄暗い室内に日向小次郎率いるメンバーが静かに闘志を燃やして立っていました。

そばに座っている明和FC監督の吉良耕三。

彼が飲んでいるのは……

あれ? 急須に湯のみ? お茶だと? 吉良監督がお茶を飲んでいる!おいおいおい!これじゃ、キャプテン翼の世界観が台無しじゃないですか!

原作では、ここは一升瓶なのです。お茶じゃなくてお酒ですよ。このアウトローなところが翼ら南葛SCとの対比に必要なのですよ。南葛は多彩な個人技とチームでパスを回す正統的な柔のサッカー。それに対し、明和FCは日向小次郎の直線的で荒々しく激しいアウトローな雰囲気の剛のサッカー。この雰囲気を体現するのも、吉良監督の一升瓶なわけですよ。

柔と剛のぶつかり合い。このコントラストに一升瓶は必要なのです。

コンプライアンスが作品の本来の意味をスポイルする

でも、これじゃ作品が完全にスポイルされてしまってますよね。あの世界観にお茶を飲む必然性は無いじゃないですか。

この自己規制って少年サッカーの監督を表現するのには、酔っ払いはダメということでしょうか? テレビを見てる子どもたちの教育上よろしく無いということでしょうか。もちろん現実の世界で酔っ払い監督なんて言語道断です。でも、アニメの世界ですよ。アニメの影響力を懸念するとでも言うのでしょうか?

吉良監督の一升瓶を見て、酒飲みながら監督をするぞ!っていう指導者が出てくると思います? そんなに人間ってバカですか? 教育上問題だとしても、そこを本気で真似する人っています? 限りなく100%に近い人が、そんなところを真似なんてしないでしょう。

真似とか無関係に問題が起きる時は起きてしまうでしょうし。

ちょっと人間の感受性をバカにしてませんかね? 

過去の番組のエピソードが現実社会に影響したか?

ドリフの8時だよ全員集合だって、テレビの画面にう○この模型や、ち○ちんの模型が出てくるのは当たり前。口から食べ物や飲み物もぶちまけられるし、志村けんの東村山音頭の1丁目の衣装で股間から飛びたす白鳥は、まさにち○ちんのオマージュですし、ゾウさんの歌でお鼻が長いのはち○ちんも長いということで歌っていました。

当然、PTAはこどもに見せたく無い番組ナンバーワンのレッテルを貼りましたが、番組側は全く方針を変えることもなく、また、それを見て育った子どもたちはただ笑っていただけで、それでどうこうってことにはなっていないでしょう。

酔っ払い監督といえば、野球アニメのドカベンですよ。これは再放送できないってことなのでしょうか? 徳川監督はベンチでも呑んだくれ。でも、優勝請負監督という肩書きですよ。それを見て育ってきた高校野球の歴史に、あんな呑んだくれの監督が出てきましたか?

本当に馬鹿馬鹿しい。そんなもの常識的に考えられないことを作品にするから面白いわけでしょう。

では、なぜ不良高校生をテーマにしたアニメやドラマはなぜ暴力シーンが普通に出てくるのだ? もちろんあまりにリアルで残酷なシーンは修正とか、視聴年齢制限とかある程度の枠組みはあっていいと思いますけどね。テラフォーマーズの黒での塗りつぶしはやりすぎで、隠すとかいう表現でもなくなってしまってましたけども。もう何も見えないって感じ。

そういえば、「釣りキチ三平」もダメって聞いたことあるけど、ホント?

コンプライアンスの行き過ぎは世界を歪める

でも、昔から、おかしな表現があったとしても、直接それが原因で社会がおかしくなったことなんてないでしょう。それはそれ、これはこれでみんな見てる。最近のポリコレよろしく、コンプライアンスの行き過ぎも考えものだと思います。

もはや、コンプライアンスは事勿れ主義のただの責任逃れでしか無いんですよ。ちょっと言葉は違うとは思いますが、もっと冗談が通じる世の中であって欲しいと思いますね。

余談ですが、翼くんを演じてる声優さん、エウレカセブンのレントンの人なんだな。全くそんな感じがしなくて声優さんの演技力ってすごいなと思いました。若林くんは、現代版のヤン・ウェンリーですね。