サッカー本に書かれた通りにボールを蹴ることは物理的にほぼ無理




今回はサッカーの入門的な技術が書かれた本について、「ちょっとどうなんだろうな?」と思うことについて触れたいと思います。

サッカーのテクニック本とかありますが、よく見て選んで学ばないと、ちょっと危険です。危険と言っても怪我をするとかそういう意味での危なさではありません。ここではキック力についてこれまで述べて来ているので、ボールの蹴り方についてのことに関してですが、おそらく本の通りに蹴ることなんてほぼできないだろうという意味での危険という意味です。

本がダメなら、ここで文字で説明しているこのブログも同じくダメと言えばダメなのですが、それについてはちょっと脇に置いて置くとして、昔から疑問に思っていた本にあるボールの蹴り方の記述について触れたいと思います。

インステップキックでのボールの蹴り方の記述に疑問?

私の気になっているものは、インステップキックの本での説明ですね。

インステップは足の甲の部分で蹴るというような説明がされることが多いです。いろんなキックを説明するには、まあそういう言い方になるでしょう。

インステップキックは強いボールを蹴ることができるので、弾丸シュートなどはまずこれですね。

そのボールの蹴り方を図に示すと、サッカーの入門教本的な本なんかには、こんな感じの絵で説明されていたりします。

 

左は上から見た図で、右は後ろから見た図です。ボールの左側にある赤い印は軸足の位置で、左側の矢印はボールを蹴る方向、右側のボールの中の赤い印はインステップキックの足の甲がボールを蹴る瞬間のイメージです。

もっと上手く描ければいいのですが、まあイメージはできますよね。こんな絵を見たことは一回くらいあるのでは無いでしょうか。

それに、実演で小さい子供に教える時にもこの図のように足をボールのそばに置いて見せて説明したりするコーチもいたりするような気もするのですが…

ボールを蹴ることがほぼ不可能な図解!

これ、蹴れます?

実際、この図のような蹴り方を徹底的に意識してボールを蹴ってみるといいと思います。

多分、まともに蹴ることは出来ないと思います。

すごく足の運びが窮屈で、蹴るという動作にはなかなかならないでしょう。蹴る足のつま先で地面を蹴るようなことになったりするのでは無いでしょうか。あるいはボールの上の方を擦るような蹴り方とか。軸足がボールに触れてしまったり、軸足を間違って蹴ってしまうこともあるかもしれません(これはちょっと大袈裟かな)。

こんな形でボールを蹴ることなんて、まずありませんよ!

だから上の図のような説明は、ボールを蹴ることがほぼ不可能な図解だと昔から思っています。助走で踏み込むこと自体が難しいはず。敢えてこのような入り方でボールを蹴ることができるとすると、それはつま先のトーキックでしょう。

こう言う蹴り方ができるのって、ロベルト・カルロスのフリーキックくらいじゃないでしょうか。それくらい高い技術がいると思うんですよ。(もちろん、できれば本当に強いシュートが撃てますけども)

ボールを蹴ることができているイメージ図解?

先ほどの図を、実際に蹴るイメージで置き換えると次のような感じの図になると思います。(ただし、これでも実際の動きとは違うはずです。イメージです)

 

先ほどの蹴ることが出来ない図との違いは、軸足はそんなにボールの近くには置いていないというところですね。少し距離に余裕があります。蹴る足の動きも後ろから垂直に振り下ろすイメージではなく、もっと横から弧を描いて振り回すような導線を描くイメージです。ボールにヒットする足も結構傾いている感じだと思います。

実際にボールをキックする時は、こういう軸足の位置や蹴り足の動きだけでなく、両膝がどんな動きをしているかとか、腰がどう動いているかとか、上半身の使い方なども関係してきます。

だから、この図も信用しないでくださいね。イメージでしかありませんので。

キックの上手い人のフォームを真似してみよう!

上手い練習方法は無いかと言えば、まず、実際のプレーヤー、キック力のある人などの蹴るときのフォームをしっかり観察してみることをおすすめします。

形だけでなく、リズムとか、助走のスピード、助走に入る時のキックとは関係のない仕草くらいまでモノマネしてみるのもいいと思います。

似たフォームで蹴ることができれば、必然的に同じよな弾道のボールを蹴ることができるはずです。蹴ることが出来ていないなら、それはキックで使う筋力をモノマネ出来ていない可能性の方が高いでしょう。

最近は、YouTubeで探せば、いろんなキックの映像があります。プロ選手のキックの映像だけでなく、キックのレッスンの映像もあったりします。

ただ、レッスンの映像も一長一短があって、ここでの図解の失敗のような説明になっていることもありますので、実際のキックの動きを確認して真似してみましょう。説明の言葉どおりには体は動いていません。言葉の難しさでもありますね。

最後に

以上、キックの図解のおかしさを指摘することで、ボールを蹴る時の軸足の位置と蹴り足の動きを再考してみました。

キック力のある人のフォームを映像などを参考にしてものまねしてみるのもいいと述べましたが、私個人の感覚ではキック力には足よりも、もっと上半身の動きを参考にしてみるべきだと思います。腕の振り方(回し方)をうまく利用することで腰の回転から蹴り足の動きに力が乗ったりするものです。

足だけでなく、体全体の動きでボールは蹴っているものだと思います。軸足についても前に書きましたね。

サッカーボールを蹴る時の軸足の重要さを勘違いしてキック力低下

キック力のある人と無い人では、足の筋力などの力の差よりも、体全体の使い方にも大きな差があると思います。

DVDやYouTubeで手軽に何度も見返すことができる状況がありますから、使えるイメージを掴みやすいと思います。そういう意味では、私の持った疑問のようなものは、あまり発生していないのかもしれませんけどね。

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