Python初心者を早く脱出したい人のための足掛かりとなる入門書2冊




プログラミング言語のPythonはここ数年で一気に盛り上がってきたように感じますね。人工知能、機械学習、ディープラーニングといった話題と共に書店にも以前よりも多くのPython本が並ぶようになりました。

海外ではもっと以前から人気の言語だったようですけど、日本ではPythonの盛り上がりはそれほどでも無かった感じですよね。この手の言語ではRubyの方が人気だったかな。

私も遊びで機械学習とかデータ分析とかやってみたいと思って、『みんなのPython』を入門に読んでみたりしたものです。私が読んだのは第3版です。

 

まあ、入門書自体はどんなものを読んでもいいと思うんですよね。

さて、入門書を読んだのはいいけど、プログラム初心者にとってはそこから先はどうすればいいのかさっぱり目処が立たないのがパターンですよね。企業に勤めてプログラミングの仕事をしている人なら仕事の中で力をつけていくものでしょうけど、私のように遊びでプログラミングをやってみようかと思ってはじめた人間にとっては、かなり手探りになってしまいます。

「FizzBuzz問題は理解できるようになったけど、この先はどうすればいいのだ?」

自信を持ってプログラマー、エンジニアと名乗ってみたいものですよ。

Pythonを入門から次の段階へ導く2冊の入門書

入門書はそのほとんどが基礎的な文法、構文のマスターで終わるものがほとんど。あとは実践的なコードを写経したりすればいいのでしょうけど、何をするにしてもちょっと高い力をつけるための道しるべが無い。独学でプログラミングを学ぼうとしてる初心者にとってはここが悩みどころです。

ある程度、発展的な内容を扱ってるPythonの入門書は「入門Python3」があります。

ただ、これ、ちょっと内容がてんこ盛りって感じで発展部分も抽象的になりすぎの内容かもしれません。わかっている人には当たり前の内容なのかもしれませんが、ページ数の割に発展部分の割合も多く、入門でありながら先のわからない初心者にとっては途中から敷居が高くなる感じなんですよね。

そこで、単なる入門レベルから次の段階へ進むための入門書を2冊おすすめしておきましょう。完全な次のステップではなく、次へ進むための入門書という個人的な位置付けです。

Pythonエンジニア ファーストブック

まずはこちらの1冊。「Pythonエンジニア ファーストブック」です。

これは、2015年に発売されたムック本の「Pythonエンジニア養成読本」を改訂したものです。

私個人としてはムック本って作りが嫌いで「養成読本」には手が伸びなかったのですが、こうやって加筆・修正されてしっかりまとまった形の本として出てきたのはとても好感が持てました。

中身も入門書の次にどんなことが必要になるのかを一通り触れている感じで、まず知っておかないといけないことはどんなものなのかをまとめて知ることできる感じです。

入門書となると文法的なところが中心で発展的なところ、例えばライブラリーであるとかフレームワークといったところは必ずしも十分に扱われてはいないものですが、これはいいきっかけになる情報が網羅されてる感じです。

開発環境にしてもgitやvenvなどまで触れてる入門書ってあまり無いですよね。あっても本文の解説の為に使うというだけで、他の方法などにはあまり触れていないはず。でも、実践的なプログラミングになるとそこは色々と必要になってくるわけで、この本ではいろんなものに触れてくれていますので、自分には何が合うのかの指針になったりします。

Pythonだとデータ分析やスクレイピングなどをやりたい人も多いはずで、そこもしっかり導入的な知識を提供してくれます。

Djangoについても触れられていますが、今はバージョン2になっているのでそちらの知識がきになる人は、このファーストブックにも関わっている著者による「基礎から学ぶDjango」が発売されるので、そちらを学ぶのも良いと思います。

独学プログラマー

次はこちらの「独学プログラマー」です。書籍名からして気になりますよね。

こちらの本も、上記の「ファーストブック」の対象読者と似たようテーマではありますが、こちらの方が実際に手を動かして学ぶ本という印象が強いです。

タイトルのように、独学でプログラミングをやってる人にとっては「ああ、入門書で書かれていたことってそういう意味だったのか」って納得する部分も結構あると思います。

「独学」と銘打ってるだけあって、著者の独りよがり的なコーディングによる欠点もあるようですが、そこは監訳者によるコメントや補足があるので十分のフォローされています。

また、扱ってる言語は副題にもあるようにPythonなのですが、考え方自体は他のプログラミング言語にも役立つように意図して書かれていますので、他の言語を学んでいる人でも目を通しやすいと思います。Python自体、可読性が高いですからね。

それと、初心者にとってありがたいのは用語集がそれぞれの章末にあること。テクニカルタームの解説が弱い入門書って困りますよね。そのあたりはしっかりカヴァーしてくれています。この言葉くらいは説明無くてもわかるかなと思われるものまで解説されているので優しいですね。

まとめ

この2冊、どちらもおすすめで、持っておいて損は無いと思います。

どちらも、次に読むべき本などのリファレンスがありますし、参照サイトの情報も豊富です。このあたりは、どう調べたらいいのかわからない初心者にはとてもありがたいところです。

入門書から一歩踏み出すには何を手に付ければいいのか? そんな人には良いステップを踏むことができる2冊です。

ただし、やっぱり高い実践レベルに到達するには、ここから試行錯誤と努力は必要だと思います。これよりレベルの高い本を読むと、やっぱり差を感じますからね。

ここから先は、もっと手を動かすしか答えは無いのかもしれません。