佐藤優『いま生きる「資本論」』古典を自由に読んで乗り越えるモノ

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一万円札

トマ・ピケティの『21世紀の資本』がバカ売れしているようです。ビジネス・経済ジャンルならまだしも、Amazonの総合ランキングでもこのエントリーを書いてる時点でも10位以内に入っています。

全700ページを超える大著。最後まで読み切る人がどれほどいるのかとも思えます。本棚の飾りになってしまう人も多いかもしれません。

おそらく、この本をろくに読めていないにもかかわらず、ピケティの名前を持ち出して社会を語るナンチャッテ言論人が大量発生するような気もしますけどね。経済学を全く無視して、ピケティの考えていることとは全く異なることを言い出すにちがいありません。

そんなことにならない方向で、私もそのうち買って読むことにしましょう。

さて、「資本」といえば「資本論」、「資本論」といえばやはりマルクスだ。

Jリーグ名古屋グランパスエイトの田中マルクス闘莉王ではないぞ。

カール・マルクスだ。哲学者で経済学者のマルクス。

マルクスの書いた『資本論』も大著である。

しかも読みにくい。

『資本論』の序文にはこうあります。

何事も初めがむずかしい、という諺は、すべての科学にあてはまる。

引用元:マルクス『資本論

まさに「資本論」そのものの初めからむずかしいわけです。

「資本論とか持ち出すなんて、お前はマルクス主義者かよw」

というツッコミが入りそうですが違います。経済学者ならケインズのほうが断然好きですし、いわゆるマルクス経済学というものに価値なんて置いてません。

ですが、生きる価値として古典を読んでみるというには賛成ですね。

古典としての『資本論』を読む

そこで、今回はこの1冊。

佐藤優『いま生きる「資本論」

佐藤優『いま生きる「資本論」』

この本は佐藤優氏が新潮社が開催している新潮講座「一からわかる『資本論』」第一期の講義を活字化したものです。

大学受験時代に語学春秋社の実況中継シリーズというものを使いましたが、雰囲気としては大人版実況中継シリーズといった感じですかね。

講義の書き起こしなので読みやすい。かといって扱ってるテーマが資本論なので軽いわけではない。

といっても堅い知識だけの本でもありません。

ところどころに時事的な話題をマルクスの論理と絡め、冗談も交えながら資本論を最初から読んでいくという内容です。

資本論を読んだことがある人ならわかると思いますが、資本論自体は読みやすい本ではありません。

この本も簡単というわけではないですが、一気に資本論のエッセンスと現代経済学の分析が見落としてるであろう視点をこの混迷と言われる時代の資本主義社会に提供してくれます。

ただ、そういった現代資本主義社会の分析自体にこの本の価値があるとは思っていません。

この本のどこが良いかというと、古典を読みたくなる気持ちにさせるというところです。

特に佐藤優氏が好きな作家というわけでは無いですし、くにまるジャパンなどのラジオでの発言を聞いていても「それはどうかな?」と思うことはよくあります。

ただ、読書家という側面に関しては脱帽するしかなく、彼の重量感のある知識と読み込みからもたらされる世の中の出来事や情勢の分析の切り口は大いに参考になります。

それをもたらしてくれる源になってるのが古典の読み込みということです。

古典を読書に推める人というと、ライフネット生命の出口治明さんなどもいますね。ごっつい古典がおすすめ本に挙っているのをよく見ます。

古典を読むと途中で挫折する

軽い読書をしてきた人間にとっては、古典はとても読みにくい。古典がいいと言われても、なんとなく手にとっていきなり読み始めると、その文体から、その内容から、その分厚さからくるプレッシャーから挫折してしまうものです。

道半ばでの挫折ではなく、最初の数ページでの挫折です(笑)

佐藤氏は資本論を読むと、なぜ途中で挫折するのかも書いています。

序文での挫折ですよ。

こういう挫折をある程度乗り越えさせてくれるように古典を読みたくさせる本は大歓迎で、佐藤氏のこの本もそういう1冊です。

知的興奮に包まれるのは古典からしかありあえない。そんな空気から手にする古典は、今までの読み方とは違ってくると思います。

ですから、この本の読後はマルクスの『資本論』を読んでみたくなるのです。

佐藤氏は資本論を宇野理論などの読み込みを使って、共産主義イデオロギー抜きに解説してくれます。

こういう本は好きですね。

私も大学時代に買った岩波文庫の『資本論』を引っ張り出してきて読み返し始めました。

もちろん大学時代に挫折しています。序文で(笑)

まだ読み始めて文庫第1巻の142ページのところですけどね。ノロノロ運転でまいりま〜す。

読書の挫折を味わおう!

ということで、手軽に読める中身のない軽いビジネス書に飽きたかたは、頭にスイッチを入れる意味でもこの本をどうぞ。

そして次は『資本論』という古典に挑戦してみてください。序文での挫折を味わいましょう(笑)

今日の記事タイトルである“古典を自由に読んで乗り越えるモノ”とは何か?

それは資本論の「序文」です(笑)

まあ、挫折するときは理屈抜きで挫折しちゃいますけどねorz

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