私のお気に入りのフレーズです。
「なんかいいよね」禁止。
これはコピーライター谷山雅計さんが書いた『広告コピーってこう書くんだ!読本』という本を読み始めると、すぐに出てくる言葉です。
何でもいいのですが、面白いアイデアや企画をみんなで練っている時、「なんかいいよね」的な言葉が出ると結果として全く話が進んでいないことになる。そんな瞬間があるはずです。
話が進まない逆マジックワード
たとえば、会社のホームページを作るためにアイデアをみんなで出し合ったとしましょう。
とりあえずいろんなサービスや会社のホームページを参考のためにあちらこちらと見たりすると思います。やりたいことがはっきり決まっていない時などは、キッカケを掴むために誰もがやっているはずです。
そこで参考になるようなベストなサイトを見つかったとしましょう。
そのサイトは構成も優れていてデザインも美しい。
でも、そのまま真似をすることは当然できない。もちろんそうする気も初めから無いわけなのですが、サイトの方向性としては十分マッチしていて、ホームページを作るのに大きなインスピレーションを得たとします。
そこである人が力強くこんな発言をしたらどうでしょう?
「ここみたいなサイトをいい感じにすればいけるね!」
この「いい感じ」って言葉、「なんかいいよね」と同じようなものです。
この発言、シラけると思いませんか?
これ、実は何も言っていないことと同じですよね。
何もアイデアを捻り出していない言葉です。いわば、逆マジックワードです。
この参考になるサイトを見つけた人が「いい感じ」発言をしたあとに、「(私がキッカケとなるアイデアを引き出したから)あとは君たちでヨロシク!」みたいな態度だと最悪です。何も出していないにもかかわらず「オレは仕事がデキる男だぜ!」の勘違いオーラを出していては、シラけるのも当然です。
実はみんなその先が知りたくて必死に考えているわけです。
「なんかいいよね」の先にあるものを求めて!
この「いい感じ」をどうするのか。
この「いい感じ」を、自分たちはどのような形にして世に送り出すのかを考えるのが本来の目的であり、オリジナルなアイデアです。今後の世の中を席巻するかもしれない企画なのです。
この「なんかいいよね」の先にある汗や血や涙(大袈裟?)とともに絞り出された結晶がアイデアというものです。
ビジネス書的な言葉では「見える化」でしょうか。私は言語化って言葉が好きですけどね。アイデアを出すって言語化することだと思います。(もちろん、絵や図もありで、それも言語化と同じです)
言語哲学や現代思想でも、混沌に満ちた状態から言葉によって意味の世界が創造されるというような神学的な議論さえあります。
「なんかいいよね」「いい感じ」という言葉を使った瞬間、アイデアを出した気分になっていないでしょうか?
そこは勘違いして仕事が出来る気分になってしまう分水嶺。周りのメンバーをも実はシラけさていることにもなってるんですよね。
結論
「なんかいいよね」禁止。ここからがアイデアを絞り出すための本番です。
でも、なかなかできないんだよな、これが。
ああ、困った、困った。