新国立競技場の建設費問題。安倍総理の決断でゼロから見直すということでとりあえずはよい方向へ進み始めたということでしょうか。
ただ、最初のデザイン案の建設費がびっくりするような金額になったのは、これは当然の結果なのかもしれません。
せっかく建て替えるのだから、それなりに立派に作るのも有りだと思うし、あの未来的な当初のデザインでの建設ならお金をかけてもいいのではないかという思いは個人的にはありました。
でも、規模を縮小したデザインがアレで、しかも2500億円。
日本だからこそ「和」をコンセプトで木造建築でどうだ!みたいなことを永江一石さんがブログで書いていましたが、同じようなことを私も考えてました。木造建築は日本の誇る技術でもありますからね。
建設費が増加する構造はTVのビフォーアフターと同じ?
さて、この建設費の増加の理由。
為替の円安等での建設資材高騰などの側面もあるとは思いますが、これは建築家の世界の構造的な問題ではないかとも思えます。
家の改築をする人のこんな話を聞いたことはないでしょうか。
TV番組のビフォーアフターでの改築。放送では改築費用がどれくらいかかったか示されたりします。
同じような改築をやってもらおうと、地元の大工に頼んではみたが、全くその金額ではできないというような話を聞いたことはないでしょうか。
実際、私の知り合いの大工も、あの金額ではうちはできないと言っていました。もちろん、それぞれ経費の削減などの違いもあるでしょうし、建設資材の確保の仕方などの違いもあったりするのかもしれません。
それよりも建築家の設計を工事をお願いする別の工務店に出すと予算は結構変わってしまうというのはよくあることのようです。
建築家と工務店では見積もりに違いがある?
どちらが悪いのかということは言いませんが、建築家の見積もり金額での仕事は、工務店の立場からみると利益が出ない。なので、実際の工事金額は上がってしまうというもの。
私の知人が家を建てたときも、そんな話は出てきました。
建築家の設計金額が理論的すぎるのか?どうあれ、建築家の設計見積もりと実際の工事の見積もりとは大きく食い違うことはよくあることのようです。
正直な話、工務店側は建築家の仕事はあまり受けたくないというような話もあるようです。(私の住む地域の局所的な話かもしれませんが)
見積もりよりも膨れ上がるのは普通のこと
そう考えると、最初の見積もり金額よりも膨れ上がってしまうのは、業界の構造なのかもしれません。
だから当初の計画が2500億円に膨れ上がってしまったというのもわかるような気がします。
もちろん、文部科学省の予算取りの為に見積もりを膨らませるという側面もあるとは思いますけどね。
どうあれ、見直しがされたのはよかったことでしょう。ただ、新デザインも気をつけないとまた建設費が膨れ上がるかもしれませんよね。
それにしても、東京オリンピックに関してはエンブレムの問題とかいろいろと次から次へと出て来て困りますね。
どうした?日本!がんばれ!日本!