小惑星探査機「はやぶさ2」(Hayabusa2)を搭載したH-IIAロケット26号機 (H-IIA・F26)は、種子島宇宙センターから平成26年12月3日13時22分04秒(日本標準時)に打ち上げられました。
この「はやぶさ2」の打ち上げをYouTubeの生中継で見ていたのですが、その瞬間はやはりゾクッとしましたね。
打ち上げ日程の延期などがありましたが、案外あっさりと打ち上がったようにも思えました。
そして、これが日本の技術力の高さなんだなと考えると、またそこでもゾクッとします。
ロケット打ち上げの映像は何度見ても鳥肌が立ちますね。
ロケットは計画通り飛行し、打上げ後約1時間47分21秒に「はやぶさ2」を正常に分離したようです。
当初、打ち上げは11月30日(日)に予定されていましたが、射場近辺の天候条件の悪化が予想されることから、打ち上げを12月1日に延期。
天候が思わしくなく、さらに今回の3日まで延期されました。
この打ち上げをさらに延期することになったら、打ち上げ期限は9日だったようです。
もし9日も打ち上げできなければ、地球と小惑星の位置関係から最適な打ち上げ時期は10年後ということになってしまうところだったようです。
打ち上げ成功、万歳!
JAXAのライブ中継の解説がわかりやすい
JAXAによるこの打ち上げの中継が、単なる打ち上げの映像を放送するのではないところが面白いです。
今回の「はやぶさ2」のプロジェクトをわかりやすく解説したちょっとした宇宙開発教育番組のようになっています。
ナビゲーターの話し方がとても丁寧なので、子供向けの教育番組を見ているかのようでした。
博物館などに見学に行って、わかりやすい説明を聞いたような気分にもなれましたね。
MCの声がネットで話題
ついでに、このMCの声がかわいいとネットで話題にもなっていたようです。
ナビゲーターを務めたこの声の主は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の嶋根愛理(しまねえり)さん。
大学では応用物理、大学院では航空宇宙普を専攻。
普段はロケットのアビオニクス(電子機器)の開発に携わり、ロケットの姿勢や位置を調べるセンサーの担当をしているそうです。
この中継のために声優さんがナビゲートを担当していたのではなく、本物のリケジョだったのですね。
本当にいい声で、すばらしい解説でした。
私の好きな瞬間・もう一つの声
このMCの声だけでなく、もう一つ気になる女性の声があります。
打ち上げ中継でのカウントダウンに合わせて、男性が発射シークエンスを日本語で行います。
そしてその言葉を追いかけるように女性が英語で通訳します。
この女性の声がいつもかっこいいなと思っていて、とても気に入ってます。
特にこの打ち上げの瞬間の「Lift-off!」ってところの声のトーンが抜群にかっこいいと以前から思っていました。
世界に向けて「見ろ!これがニッポンだよ!」って感じに聞こえる気がして鳥肌の立つ瞬間です。私の好きな瞬間がココです。
エヴァンゲリオン初号機も葛城ミサトのこの言葉でネルフ本部から発進しますが、やはり現実のリフトオフとは違いますね。
ちなみに、嶋根さんのナビゲートは、JAXAの上記の映像の14分14秒あたりから、「Lift-off!」の瞬間は1時間9分45秒あたりです。(追記:ネットで調べてみたところ、打ち上げ時の英語のアナウンスはJAXA広報の三宅麻美さんという方のようで、JAXAホームページの英訳も担当してるそうです。)
「はやぶさ2」の帰還予定は2020年
2003年5月9日13時29分25秒に打ち上げられた「はやぶさ」は、途中で迷子になったり、故障したり、いろんなトラブルに見舞われながらも小惑星イトカワから貴重なサンプルを持って地球に帰還しました。
あれから約4年半。「はやぶさ2」の打ち上げです。
「はやぶさ2」が地球に戻ってくるのは2020年の冬の予定。
東京オリンピックの興奮が終わって日本が一息ついた頃に、もう一度この「はやぶさ2」に感動することになるのでしょう。
今度は道中の感動的なドラマは必要ないので、予定どおりミッションを果たして無事に戻ってきて欲しいと思います。
今後のロケット打ち上げ予定
今後JAXAで打ち上げが予定されているロケットはこちらのページに記載されています。
http://www.jaxa.jp/projects/in_progress_j.html