トランプがアメリカの次期大統領に決まった。ほぼ全てのマスコミがヒラリーが当選すると予想していたことで、この結果を大番狂わせといった雰囲気で報道し、いささか狼狽しているような雰囲気まで感じるが、この本を読んでいた人は多いにこの可能性はあったものとして認識していたはずです。トランプ大統領の誕生は冗談でもなんでもなく、アメリカの本気でもあると思います。
江崎道朗 著『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』
そもそも泡沫候補と言われてる人が大統領候補になった時点で分析の方向を大きく変えなければいけなかったということでしょうが、自分の思うように世論形成したいマスコミにはそんな分析能力は無いといったところでしょうか。
日本の民主党政権誕生の時と重ねて、「まあ、やらせてみれば」という雰囲気で論じている人もいるようですが、そんな甘い判断は米国ではやっていないでしょう。トランプを鳩山由紀夫になぞるのは間違い。オバマの方が鳩山由紀夫に近いとも思えます。
この本を読んでいた人は、今回の選挙結果に驚くこともなかったでしょう。もちろんヒラリーになっていたとしても反トランプで狼狽している人たちのような態度にもなることなく、冷静に受け止めていたのだと思います。
一つ言えることは、アメリカが持つ顔は一つでは無いということ。おそらくかなりアメリカを私たちは誤解しているかもしれない。古き良きアメリカのようなイメージはもはやなく、また良心的と勘違いしてしまっている左翼リベラル勢力の動きにひどい逆差別のような状況まで起こっているというのは昨今に日本の左翼リベラルの動きにも感じることです。これが世の中の潮流であるかのごとき錯覚を持っていたからこそ、トランプ勝利に狼狽してしまうわけです。
権利じゃ平等の名の元え弱者への配慮は当然必要でしょうが、過剰な配慮によって普通の労働者が苦しめられることで不公平感が生まれ、その不公平を是正しようとする声を潰そうとするのが左翼リベラル勢力というイメージがこれまでの米国の状況という印象でしょうか。
そんな状況に異を唱えたのがトランプだということです。この閉塞した状況を打開することに期待されているということなのだと思います。
この閉塞した状況が生まれたのは最近の話ではなく、戦前のルーズベルト政権時からの共産主義の影響(工作)から続いているとこの本では分析しているわけですが、近年の中国・韓国による歴史問題認識、慰安婦問題、靖国問題などの反日運動とも関係してくる流れであるということに日本は注意と認識を向けるべきでしょう。朝日新聞などの過剰に偏向した不気味な報道もその流れの一つです。
根は深い。
この本の第三章で、日本を良くしていくための7つの方法が示されています。
- マスコミを叩くのではなく、活用しよう
- 官僚に対抗できるシンクタンクを作ろう
- 国際ネットワークを作ろう
- アメリカを強かに活用しよう
- 経済・社会保障に取り組もう
- 作戦という概念に基づいて組織を作ろう
- 自らが賢く強くなろう
細かいことには触れません。ぜひ本書を読んで欲しいのですが、この7つの方法を読んでいて思ったことは、かつて福沢諭吉が国が独立するとはどういうことかを強く説いていたことですね。今こそ日本の自立について本気で考えるべきかもしれません。
それにしても、日本のなんちゃってリベラルなマスコミや言論人の狼狽ぶりが見ていて滑稽です。この本を読んでたら今回の結果は驚くことでもなんでもありませんでしたね。
まあどちらが大統領になっても日本にとっては問題は多かったはず。ただ、今後の日本を本気で考えるにはトランプの方が良い機会になるのではないかと思いました。
日本が主体的になる機会とすべきでしょう。