『サイバー攻撃 ネット世界の裏側で起きていること』は良い入門書だわ




ハーウェイのセキュリティ上の疑惑は、米国を中心に特に主張され、ようやく日本でも関心が持たれるようになりました。

やはりハッキング、サイバー攻撃は恐ろしい。自分の使っている範囲では、狙われるようなことはあまり無いとは思うのですが、パソコンのログなどを見ると、見知らぬIPアドレスから接続してこようとしてる痕跡があったりしますし、このブログへのアクセスも、スパムチックなものは必ずあったりします。

やはり、サイバー攻撃やコンピューターのセキュリティの話は、その分野の技術者の世界のものという訳ではなく、身近な生活上の問題でもあるんですよね。

私も以前から、サイバー攻撃であるとか、ハッキングとかいうものには少し関心を持っていました。なれるものならホワイトハッカーにでもなりたいものなのですが、その手の人は途轍もないスキルなのでしょうから、私がこれから学んでどうこうって話にはならないでしょうね。

友人のサイトが何者かによって書き換えられた

でも、その一般的な知識はやはり持っておいた方がいい。ブログやサイトなどを運営していると、サイトの乗っ取りなどの危険には一般人でも直面します。先日、私の友人のブログの内容が書き換えられたという経験をしました。案外、身近なものなのですよね。

まあ、以前からちょっとしたアプリなどを作ろうと思っていたりして、でも脆弱性の対策など知識を深めておく必要があると考えて、勉強などはしようとしていたんですけどね。なかなか最初からきちんと学ぶには量や範囲が多かったりして、中途半端に終わっていました。

サイバー攻撃の世界の入門的知識を求めて

そこで、細かいプログラミング上の知識でなくとも、基本的なサイバー攻撃の内容に触れてみようと思ってこの本を手にしてみました。

 

中島明日香 著『サイバー攻撃 ネット世界の裏側で起きていること

講談社のブルーバックスの1冊として出版されているこの本。ブルーバックスだけあって、やはり程よく入門の初歩で終わらない、その世界を俯瞰する内容になっていました。

プログラミングコードは例として簡単なものが出てきますが、そのコード自体が理解できなくても、どういうことが起きているのかという内容は十分に理解することができます。

ですから、技術一辺倒という内容ではありませんので、サイバーセキュリティの話題に関心を持った人にとっての入門としてはとても良い内容だと思いました。

基本的なコンピューターの仕組み、webの知識、それにまつわる脆弱性とそれに対する攻撃がコンパクトにまとめられていました。

そういう技術的な話に終始する訳ではなく、現実社会で起こっている実際の事件などの話題や、業界の脆弱性に対する取り組みの変遷などもしっかりまとめられています。

ですから、この分野に詳しく無い人が技術的な話で途中でついていけなくなるようなこともなく、また、分厚い本でも無いので読み通すのに苦労するというレベルのものでもありません。

各章、程よい感じにまとめられているので、とても読みやすく仕上がっています。

Amazonレビューの高評価に偽りなし

Amazonレビューを見てもなかなかの高評価ですが、これに偽りはありません。中には手厳しい意見を述べているレビューもありますが、その人はおそらくスキルの高い人でしょう。はっきりいって、そういうレベルの人はすでに知っていることも多いでしょうから、そんな評価になるのでしょう。

でもこれは一般の人であるとか、IT知識を身に付けたい初心者の人にとってはちょうど良い入門書になると思います。

したがって、より深い知識を得たいと思うのであれば、当然これだけでは足りるわけがありません。ここからどういうものを調べたり学んでいけばいいのだろうというのが初心者だろうと思います。そのあたりも、巻末に参考文献が挙げられているので、さらなる学習を進めたい初心者の人には良い出発点となる本だと思います。

やはり技術的なことをしっかり取り組んで行こうとする人にとっては、徳丸浩さんの本などに目を向けないといけないでしょうね。

ちょっと本気で学んでみようかな。