読書の秋の由来って何なの?読書週間のオススメ本はこの1冊で決まり!




暑い、暑いと過ごしていた夏も、いつの間にか「あれ?今日は涼しいかな?」と感じるように普通はなるものですが今年はどうなることでしょうか。この夏の異様な暑さを考えると、秋の気配が近づいてきたと感じることができる日が来るのか想像がつきません。秋は過ごしやすい季節。早く来て欲しいです。マジで暑過ぎますから。

でも、数年前は冷夏で異常気象がどうのこうのと言ってたような気もするのですけどね。

さて、秋の話題をするのはかなり早いですが、秋といえばやはり「読書の秋」を連想しませんか?「いや、私は食欲に限るよ」という方もいるかもしれませんが(笑)

でもなぜ「○○の秋」という風に「秋」にスポットが当たるのでしょう? ここでは「読書の秋」の由来について、ちょっと調べてみました。

読書の秋の由来は唐の時代にあり

読書の秋の由来のひとつに、中国の古典があります。

それは、中国の唐・中期を代表する詩人、韓愈(かんゆ)の漢詩に、「燈火稍く親しむ可く」という一節があることからきているようです。

時秋積雨霽 新涼入郊墟 燈火稍可親 簡編可卷舒

出典:韓愈「符読書城南」(『全唐詩』341巻)

書き下し文は以下の通り。

時秋にして積雨(せきう) 霽(は)れ、 新涼(しんりょう)郊墟(こうきょ)に入(い)る。 燈火(とうか)稍(ようや)く親しむ可(べ)く、簡編(かんぺん)巻舒(けんじょ)す可べし。

「秋になると雨も止んで空も晴れ、涼しさが郊外の丘にもたらされる。夜はいくらか燈を灯して、書物を広げるのが良い」

直訳するとこんな意味になりますかね。

こうして、この詩は「秋は過ごしやすいので、夜は燈を灯して読書に親しむのが良い」というような意味に解され、次第に「秋は読書をするのに良い季節である」と捉えられるようななったと考えられているようです。

さて、韓愈といえば、「唐宋八大家」の第一に数えられる文人の一人です。

唐宋八大家とは中国唐代から宋代にかけての八人の文人のことで、古典の文学史や世界史の文化史で受験生時代に覚えた人も多いのではないでしょうか。この際ですから復習しておきましょう。

唐代の韓愈、柳宗元。宋代の欧陽脩、蘇洵、蘇軾、蘇轍、曾鞏、王安石。この八人のことを「唐宋八大家」と言います。高校の漢文の授業でも見覚えのある名前に頭痛がしてきそうです。

おっと、ちょっと読書の秋から話題が脱線してしまいました。

読書週間の広まり

いにしえの詩に由来があるとはいえ、読書の秋が一般的になったのはもっと最近のことかもしれません。

大正時代の読売新聞で初めて読書の秋という言葉が初めて使われたとか、夏目漱石の小説「三四郎」の中で漢詩の中に韓愈の一節を思わせる「燈火親しむべし」という表現があるとか、「読書の秋」が一般に広まったと思われる理由はいろいろあるようですね。

しかしながら、今では誰もがよく知る「読書週間」の啓発によって一般に広まったということの方は大きな理由のようです。読書週間が始まったのは戦後の話。それほど大昔というわけではなさそうですね。

公益社団法人 読書推進運動協議会のホームページを覗いてみると、読書週間の歴史として次のように記載されています。

終戦まもない1947年(昭和22)年、まだ戦火の傷痕が至るところに残っているなかで「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という決意のもと、出版社・取次会社・書店と公共図書館、そして新聞・放送のマスコミ機関も加わって、11月17日から、第1回『読書週間』が開催されました。 そのときの反響はすばらしく、翌年の第2回からは期間も10月27日~11月9日(文化の日を中心にした2週間)と定められ、この運動は全国に拡がっていきました。

このようにして読書週間が日本の国民的行事として定着することとなったわけです。読書週間の期間もちょうど秋ですね。

読書の秋という言葉も、こうして一緒に広まったのだろうと容易に想像することができます。

そういえば、日本は「本を読む国民の国」と世界から思われるほどなのですよね。

ただ最近、出版業界では本が売れない、書店がどんどん閉店している、本を読む人が少なくなったなどと報道などで目にするのはちょっと残念です。

ちなみに「読書の秋」を英語に直訳すると”reading in autumn”って感じでしょうか。Google翻訳すると、”Autumn of reading”となりますが、海外の人にはどういうことなのか理解できないそうです。”Autumn is the best season for reading.”と日本では言われていますという感じの説明をすればいいのではないでしょうか。

スポーツも芸術も食欲も……秋

読書の秋だけでなく、スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋などとも言われます。やはり秋の過ごしやすさをいろいろなものにつなげてしまうのが日本のようです。

東京五輪からスポーツの秋へ

各地の運動会も秋に行われるのがほとんどですよね。この機運がさらに強まったのは東京オリンピックです。

1964年に開催された東京オリンピックの開会式の日は10月10日。1966年(昭和41年)からこの日は「体育の日」とされ国民の祝日となりました。

これをきっかけに秋にスポーツに親しむ機会が増えるようになり、これが「スポーツの秋」と言われる由来となったわけですね。

今では「国民の祝日に関する法律」が改正され、「体育の日」は10月の第2月曜日となっていますが、個人的には10月10日のままでよかったと思っています。

また「スポーツの日」って言い方に変えようという話もあるようですが、どうなのでしょうかね。それに2020年の東京オリンピックも暑い時期に開催されることになり、なぜ前回同様に10月にやらないのか全く意味がわかりません。

芸術祭の多い秋

「芸術の秋」は、元々は「美術の秋」というというフレーズから来ているそうです。

1918年に雑誌「新潮」でこの言葉は使われたとされています。また、歳時記には「芸術祭」という言葉があり、俳句の秋の季語とされているそうです。

秋には芸術展が数多く開催されるのも由来の一つ。有名な美術公募展である二科展、日展、院展は秋に開催されています。

2010年から始まった瀬戸内海の島々を舞台に開催される現代美術の国際芸術祭である「瀬戸内国際芸術祭」も「秋会期」という開催期間を設けて「芸術の秋」を印象付けてますね。

秋の味覚の収穫の季節

「食欲の秋」についてはもう説明は不要でしょう。

やはり秋は収穫の季節だからということで、食欲の秋と言われるのも当然ですね。

まさに実りの秋。お米、果物、野菜、魚と美味しい食べ物がいっぱいです。

あなたはどんな秋の味覚が好きですか?美味しいものを食べ過ぎて、体が実ってしまうことには注意が必要です。そのための「スポーツの秋」なのかもしれませんが(笑)

読書の秋のおすすめ本

秋の夜長、気候的にも涼しいですから読書をするなら軽めの本よりも、じっくり取り組める本をたまには読んでみるのはどうでしょう。それでこそ「読書の秋」ではないでしょうか。

古典や哲学書などに挑戦するのもいいと思いますよ。

「哲学?カントとかハイデガーとか?」

もちろんそれでもいいと思いますが、本当に興味が無いと秋の夜長をいつの間にか寝て過ごしてしまうかもしれません。

そこで読書の秋にオススメしたいのがこの1冊です。

エッカーマンの『ゲーテとの対話』です。

岩波文庫から上・中・下の3冊が出ています。3冊まとめて読むのもいいですが、せめて上巻だけでも読んでもらいたいですね。

ゲーテの名言集のようなものを見かけますが、この上巻に収められた言葉であることも多いです。

とにかくゲーテは人物としての大きさを感じます。ビジネス書の仕事術や自己啓発本のような軽い本をたくさん読むくらいなら、『ゲーテとの対話』を読むことをお勧めします。実際、人生の成功や仕事の進め方、考え方についてのゲーテの考えがたくさん詰まっていますよ。

今風に言えば「文豪ゲーテの仕事術・人生論講義の実況中継」といった内容といってもいいかもしれません。

そういえば以前にも書いたのですが、ゲゲゲの鬼太郎の作者である水木しげるもゲーテを愛読していましたね。戦時中、水木さんが激戦地ラバウルに持って行ったと言われる岩波文庫版『ゲーテとの対話』には、各ページにビッシリと線が引かれていて、ボロボロになるまで読んでいたのがわかります。(現代ビジネス :水木しげる、最後のインタビュー「生死について、人間について、自分が抱えていた疑問に答えてくれたのは、ゲーテの言葉だった」

岩波文庫だとちょっと荷が重いというなら、水木さんの『ゲゲゲのゲーテ』でも手にとってゲーテの世界を覗いてみるのはどうでしょう。

あと薄めの本だと『ゲーテ格言集』が新潮文庫から出ています。パッと開いたページの中から、あなたを奮い立たせる言葉がきっとどこかに見つかるはずです。

読書の秋。秋の夜長にぜひゲーテをお試しあれ。(おっと、投稿タイトルは「オススメ本はこの1冊」ってなってるのに複数の本を掲載することになってしまった。ここは『ゲーテとの対話』がオススメの1冊ということでご理解願います。)

最後に

読書の秋から色々と述べてきましたが、そういえば、国勢調査が行われるのも秋ですね。

基準日が10月1日で、この時期に合わせて調査が行われます。引っ越しなどの人の移動も少なく、過ごしやすい季節なので調査するにも都合の良い時期だということもこの時期に行われる理由の一つだそうです。

でも、最近はプライバシーなどの問題もあって、別の意味で調査は難しくなっているという話もありますね。

さて、平安時代に清少納言によって書かれた枕草子は「春はあけぼの」で始まりますが、「秋は夕暮れ」なんですよね。日本では季節をどう表すかということが、昔から情緒的に合っているのかもしれません。だから「〇〇の秋」もいろいろとしっくりくるのではないでしょうか。

日本の秋は様々。他には「行楽の秋」などとも言われます。各地のお祭りも盛んです。一年の中で過ごしやすい季節の秋。それぞれの楽しみ方で秋を過ごすのも良いとは思いますが、やはり読書もその一つにして欲しいですね。

さて、このブログを今読んでるあなた!読書しましょうね。「ブログの秋」なんてことは無いので、こんなブログを読んでる場合ではありませんよ(笑) 本屋へGO! AmazonへGO!