ルトワック『戦争にチャンスを与えよ』で大人になろう!果たして日本はチャンスを掴めるか?

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ルトワックの著書

エドワード・ルトワックの新書が発売された。『中国4.0』の続編という位置づけには収まらないスケールの大きさ、思想的な深さが詰まっています。綺麗事を言ってるだけですむ平和な生活を送っている我々に有事の現実・ロジックを突きつけてくれる本でした。

これを読んで大人になろう!って思いですよ。有事の場で道徳は語れない。

エドワード・ルトワック『戦争にチャンスを与えよ』 (文春新書) 

YouTubeでも訳者の奥山真司さんによる解説が上がっていますので合わせて見た方がいいですね。理解が深まります。(というか、喋りすぎとも思えるかもw)

とりあえず、テレビのニュースで解説している人の意見がほとんと役に立たないと思えるほど言葉の重さが違います。

下世話な言い方をすれば内容が濃過ぎって感じ。でも、ページをめくるスピードは内容の濃さとは逆にどんどん読みすすむことができました。

『中国4.0』で出てきた「発明」というキーワードが印象に残っていた。敵を自分の都合の良い相手に解釈してしまうという発明をしてしまうと言うことだ。とても自分に戒めを与える言葉でもありました。

気になった言葉たち

今作『戦争にチャンスを与えよ』でも気になる言葉はたくさん出てきます。

まずは「戦闘する意思」かな。どんなに最新鋭の装備を備えて(与えて)訓練を行ったとしても、「戦闘する意思」だけは外部からは植え付けることができない。歴史的、文化的に長きに渡った教育によってでしか成果の出ないものだと言うこと。

次は「まあ大丈夫だろう(it will be all right)」の危うさ。これは『中国4.0』での「発明」にも通じる。相手がやって来ない(ミサイルは飛んで来ない。尖閣に武装漁民は上陸しない)なんて保証はどこにもないわけです。

パラドキシカル・ロジック」はルトワックがルトワックであることを示す概念と言っていいのでしょう。これは彼の『戦略論』という本にも書かれている内容なのですが、これがそっちを読むとすごく難しいので読み進めるのにとても苦労します。それをコンパクトにまとめて説明しているのでとてもありがたい。『戦略論』を読まなくても済むかも?

これ、日本が真珠湾攻撃を成功させたから負けてしまったということにもなるのかもな、と思いました。あんな遠くまで行って作戦を成功させてしまったのだから、その後遠くまで日本軍は行くことが当然のようになってしまったのでは無いかと。それで補給線が伸び、そこを断たれればどうなるか・・・という流れかなと。

生命の法則」「男は戦いを好み、女は戦士を好む」というワードは人権派、リベラル派の人が発狂しそうな話。でも、そういうことって確かにあると感じる方がリアルです。この法則に反した国は滅ぶ。その流れの中に日本はあるが、この先どうなるか。

そう言えばこのフレーズ、映画「機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士」で井上大輔が歌うテーマ曲を連想しました。「死にゆく男たちは 守るべき女たちに 死にゆく女たちは 愛する男たちへ」何を賭け、何を残すのか、ふと思いにふけります。

とりあえず本書で気になったキーワードをピックアップしてみました。

善意の無意味さ

他には、NGOや国連の紛争への介入がいかに無責任な結果を生んでいるのかといった話題は、国際貢献がどうあるべきか、あるいは国内でも福祉政策がどうあるべきか再考するに値するものだと思いました。「ビザンティン帝国の7つの教訓」も安全保障を考える上で頭に叩き込むべき内容でしょう。

もっと日本は戦争についてリアルに研究をするべきだと感じるんですよね。別に侵略するためじゃなくて、万が一に備えるために。備えはあるだけ無駄にはならない。別に軍国主義を進めることとは別の話でしょうし。こっちがやられちゃったらおしまいですよ。

そういえば、先日、日本学術会議が軍事研究はしないとあらためて主張したというニュースがありました。一部、国を守るための研究くらいは必要ではないのかという意見も出たようですが、そこはどうやら黙殺された感じかな。どうも学術会議ってズレてるような気がする。平和が破壊されてからでは元も子もないのに…

戦略がもっとも必要な国

この本、本当に面白くて、リアリズムとしてどう考えるか必要だなと痛烈に感じさせられるので、そこはとてもいいなと思うのですが、逆に日本の現実の「平和ボケ」にすごくイライラしてしまう本でもあるわけです。

政治での野党の馬鹿騒ぎを見ていたらそう思わずにはいられないですよね。

さて、日本はチャンスを掴めるか。その鍵は戦略にあるのだとこの本は示しているということでしょう。

ルトワックの本は戦略を学びたい人はぜひ読むべき。ビジネス書でいう戦略の概念がいかに戦略では無いかもわかります。

さて、次は訳者の奥山真司さんの本が読みたいのだけれども、確か新著を準備しているという話もあるみたいなのですが、期待しています。

余談ですが、昔、バタイユの思想から「過剰と蕩尽」という概念を使った社会論を読んだことがあるけど、このルトワックの本で書かれているパラドキシカル・ロジックはそれに通じるものがあると感じました。

平和は大事だよ〜、でもよ〜く考えよう〜

新世紀エヴァンゲリオンで碇シンジが「戦いは男の仕事!」ってセリフもあったなぁ。大人だなぁ。なんかアニメネタがなぜかよく思い浮かんでしまうこの1冊。

そして、『戦争にチャンスを与えよ』の読後にこう自問しましたね。

「君は生き延びる事が出来るか」(機動戦士ガンダム)

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